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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第7章 7章 甘く淫らに溶かされて
ハネムーンから帰ってから2ヶ月後、シャムスはお祭り騒ぎになっていた。氷の戦乙女と謳われたカミリア・ケリーと、フェガリの新国王であるラウル・マルティネスの結婚式が行われるのだ。
ふたりは教会で夫婦の契を交わすと、馬車に乗ってパレードを行った。両脇にはシャムスとフェガリ、それぞれの騎士が護衛をしてくれている。
国民は歓声を上げ、ふたりを祝福してくれた。
「カミリア様! 貴女はシャムスの女性にとって英雄です!」
「うちの戦乙女様をよろしく頼みましたよ、王様!」
あちこちから祝福や冷やかしの言葉が投げかけられる。ふたりはそれらに応えるように笑顔で手を振る。
彼らの顔を焼き付けようとよく見ていると、頬に焼印がある黒髪の少年がいた。彼は目をきらきら輝かせながら、両手で大きく手を振ってくれている。
「カミリア様ー! どうかお幸せに!」
少年に向かって手を振ると、彼ははちきれんばかりの笑顔を見せてくれた。
折り返し地点の広場に着くと、懐かしい顔があった。自警団に入った時に絶縁した両親だ。ふたりは目にいっぱいの涙を溜めて、カミリアに手を振っている。女らしくしてほしいという両親と、剣技も勉強も頑張りたいカミリアは、いつもぶつかり合っていた。だから、このパレードも見に来てくれないと思っていた。
「なんで……」
「どうしたの?」
カミリアの異変に気づいたラウルは、顔を覗き込む。すぐに言葉が出てこなかったカミリアは、両親を指差した。
「自警団に入団した時、縁を切った両親が来てくれたの」
「なんだって? それはご挨拶しないといけないね。悪いけど、馬車を停めてくれるかい?」
ラウルが御者に声をかけると、馬車は両親を通り過ぎて少し進んだところで停まった。途端に人が押し寄せてくるが、騎士たちが守ってくれる。
ラウルは戸惑うカミリアの手を取って一緒に馬車から降りると、カミリアの両親の前へ行く。
「初めまして、フェガリの新国王、ラウル・マルティネスと申します。挨拶が遅れて申し訳ありません。娘さんをいただいてもよろしいでしょうか? ダメと言われても、いただくつもりでいるのですが」
ラウルが恭しく挨拶をすると、ふたりは顔を見合わせ、はにかみながらラウルを見上げた。
ふたりは教会で夫婦の契を交わすと、馬車に乗ってパレードを行った。両脇にはシャムスとフェガリ、それぞれの騎士が護衛をしてくれている。
国民は歓声を上げ、ふたりを祝福してくれた。
「カミリア様! 貴女はシャムスの女性にとって英雄です!」
「うちの戦乙女様をよろしく頼みましたよ、王様!」
あちこちから祝福や冷やかしの言葉が投げかけられる。ふたりはそれらに応えるように笑顔で手を振る。
彼らの顔を焼き付けようとよく見ていると、頬に焼印がある黒髪の少年がいた。彼は目をきらきら輝かせながら、両手で大きく手を振ってくれている。
「カミリア様ー! どうかお幸せに!」
少年に向かって手を振ると、彼ははちきれんばかりの笑顔を見せてくれた。
折り返し地点の広場に着くと、懐かしい顔があった。自警団に入った時に絶縁した両親だ。ふたりは目にいっぱいの涙を溜めて、カミリアに手を振っている。女らしくしてほしいという両親と、剣技も勉強も頑張りたいカミリアは、いつもぶつかり合っていた。だから、このパレードも見に来てくれないと思っていた。
「なんで……」
「どうしたの?」
カミリアの異変に気づいたラウルは、顔を覗き込む。すぐに言葉が出てこなかったカミリアは、両親を指差した。
「自警団に入団した時、縁を切った両親が来てくれたの」
「なんだって? それはご挨拶しないといけないね。悪いけど、馬車を停めてくれるかい?」
ラウルが御者に声をかけると、馬車は両親を通り過ぎて少し進んだところで停まった。途端に人が押し寄せてくるが、騎士たちが守ってくれる。
ラウルは戸惑うカミリアの手を取って一緒に馬車から降りると、カミリアの両親の前へ行く。
「初めまして、フェガリの新国王、ラウル・マルティネスと申します。挨拶が遅れて申し訳ありません。娘さんをいただいてもよろしいでしょうか? ダメと言われても、いただくつもりでいるのですが」
ラウルが恭しく挨拶をすると、ふたりは顔を見合わせ、はにかみながらラウルを見上げた。