この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第1章 1章 くすんだ太陽
「しかしまぁ、トーナメント戦ってのも考えるのがめんどうですよね」
こういったことで頭を使うのが苦手なラートは、やだやだとため息をつく。戦闘時には策士として立派な彼だが、座学や会議などはからっきしだ。彼を見ていると、頭の良さと策士の本能は別物なのだと考えさせられる。
「君はほとんど考えていなかっただろう……」
カミリアの言葉に、ラート以外全員が頷く。
「ひっでーの。まあいいや。次の試合まであと30分だろ? 俺は適当に寝てるから」
そう言ってラートは空いてる長椅子を見つけると、そこに寝そべった。彼の気楽さが少しうらやましく思った。
時間になると、多くの騎士が訓練所を囲む。中央には挑戦者と副隊長が5人ずつ立っている。
「とんでもない番狂わせがいるんでしょ? アタシも戦いたかったなー」
第3部隊の副隊長であるリアは、羨ましそうに訓練所を見ている。彼女は好戦的な性格で隊長クラスの実力を持つが、まとめるのは向いていないからと、副隊長の座に甘んじている。
「出世欲がないから、ここにいるんでしょ?」
「そうでした」
ハーディに呆れ返るように言われ、てへっと笑って舌を出す。
「これより副隊長を決める階級試合を始める。試合開始!」
サウラの合図で、彼らは剣を交える。激しい金属音に、試合とは思えないほどの殺気。午前中の試合とは、レベルが違う。
カミリアは手前で戦うラウルを観察する。彼は振り下ろされた剣を最小限の動きで何度か避けると、相手の剣をサーベルで弾き飛ばし、切っ先を目の前に突きつけた。一瞬で終わった試合に誰もが驚くが、カミリアだけは冷静な目で見ていた。
(間違いない。私はこの男に負ける……)
戦う前から負けを確信するも、悲観はしていない。ただ、己の未熟さを恨んだ。
副隊長戦が終わると、10分の休憩を挟んで隊長戦が行われる。こちらは勝ち抜いた5人がバトルロイヤルで戦い、勝ち残った4人が現隊長と試合をすることができる。
現隊長戦もバトルロイヤルで、最後に勝ち残った者は、夜に騎士団長と試合をする。騎士団長に勝てば、新団長、負けても副団長になれる。
こういったことで頭を使うのが苦手なラートは、やだやだとため息をつく。戦闘時には策士として立派な彼だが、座学や会議などはからっきしだ。彼を見ていると、頭の良さと策士の本能は別物なのだと考えさせられる。
「君はほとんど考えていなかっただろう……」
カミリアの言葉に、ラート以外全員が頷く。
「ひっでーの。まあいいや。次の試合まであと30分だろ? 俺は適当に寝てるから」
そう言ってラートは空いてる長椅子を見つけると、そこに寝そべった。彼の気楽さが少しうらやましく思った。
時間になると、多くの騎士が訓練所を囲む。中央には挑戦者と副隊長が5人ずつ立っている。
「とんでもない番狂わせがいるんでしょ? アタシも戦いたかったなー」
第3部隊の副隊長であるリアは、羨ましそうに訓練所を見ている。彼女は好戦的な性格で隊長クラスの実力を持つが、まとめるのは向いていないからと、副隊長の座に甘んじている。
「出世欲がないから、ここにいるんでしょ?」
「そうでした」
ハーディに呆れ返るように言われ、てへっと笑って舌を出す。
「これより副隊長を決める階級試合を始める。試合開始!」
サウラの合図で、彼らは剣を交える。激しい金属音に、試合とは思えないほどの殺気。午前中の試合とは、レベルが違う。
カミリアは手前で戦うラウルを観察する。彼は振り下ろされた剣を最小限の動きで何度か避けると、相手の剣をサーベルで弾き飛ばし、切っ先を目の前に突きつけた。一瞬で終わった試合に誰もが驚くが、カミリアだけは冷静な目で見ていた。
(間違いない。私はこの男に負ける……)
戦う前から負けを確信するも、悲観はしていない。ただ、己の未熟さを恨んだ。
副隊長戦が終わると、10分の休憩を挟んで隊長戦が行われる。こちらは勝ち抜いた5人がバトルロイヤルで戦い、勝ち残った4人が現隊長と試合をすることができる。
現隊長戦もバトルロイヤルで、最後に勝ち残った者は、夜に騎士団長と試合をする。騎士団長に勝てば、新団長、負けても副団長になれる。