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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第1章 1章 くすんだ太陽
 言うまでもなく、ラウルは隊長戦を勝ち抜き、カミリアの試合相手となった。その結果が出たのは夕方のこと。
 あまりにも予想外な番狂わせに、誰もが興奮している。いつも冷静沈着なサウラも、これには驚いているだろうと、彼の巨を盗み見る。だが、サウラはいつものように涼しい顔をしていた。
(もしかして、サウラ王子は……。いや、そんなことあるわけない)
 サウラがこうなることを知っていたのではないかと邪推するも、軽く頭を振ってその考えを打ち消す。ふたりは昨日初めて顔を合わせたのだ。口頭でラウルの強さを伝えたとはいえ、それだけでそこまで予測できるとは思えない。

「団長、何気難しい顔してんですか。皆食堂に行ってますよ?」
 気だるげな声で我に返る。訓練所にいる人はまばらで、彼らも食堂へ足を向けていた。
「アタシ達も行きましょうよ。今日はご馳走ですよ」
 リアは目を輝かせ、よだれを垂らす、いつもなら”よだれを垂らすなんて騎士としてあるまじき行為だ”などと叱責するところだが、その気力もない。
「あぁ、そうだな」
 カミリアは適当に返すと、彼らと同じく食堂へ向かう。
「変な団長」
 リアは訝しげな目でカミリアの背中を見つめるも、ご馳走が出ることを思い出して走り出した。

 食堂は食欲をそそるにおいでいっぱいになり、役職が決まった騎士達は、期待の新星ラウルを囲んでいる。テンションが上がりきった彼らは、カミリアが入ってきたことに気づいていない。
「ほら食え食え! 夜になったら団長と戦うんだろ? しっかり食って回復しろよ」
「うちの団長は強いぞ? なんたって氷の戦乙女様だからな」
 ベテラン騎士達は、肉料理をラウルの前に並べながら声をかける。

「その噂は、田舎町にいた僕の耳にも届いていますよ。立ちはだかる者はすべて斬り捨てる戦乙女。自陣を勝利に導くためには、冷徹な選択をする、って。けど、僕はケリー団長がそんな冷たい人だとは思いません」
「へぇ、どうしてそう思うか、聞かせてもらおうじゃねーか」
 他の騎士がようやくカミリアに気づき、ラウルに絡んでいる騎士の裾を引っ張る。
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