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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第1章 1章 くすんだ太陽
「待ってくれ」
「どうしました?」
 ラウルは開きかけたドアを閉め、不思議顔で振り返る。
「部屋の件、ありがとう。本がたくさんあるし、あの男が使っていた部屋は使いたくなかったから、助かる。それと、私はもう団長ではない」
「あははっ、本当に元副団長がお嫌いだったんですね。まぁ、僕も会った瞬間から苦手意識はありましたけど」
 ひとしきり笑うと、ラウルは困り顔をする。何故彼がそんな顔をするのか分からず、カミリアは困惑した。

「僕、団長になったっていう自覚がまだなくて……。というか、継承式とかないんですか? 団長になるのは、その後だと思っていたのですが……」
「そういったものはない。試合が終わった瞬間から、それぞれの階級になる」
「そうなんですね。うーん、だったら、貴女をどう呼ぼうか……」
 顎に手を添えて考えるラウルに、カミリアは呆れ返る。団長から副団長になったのだから、ケリー副団長と呼べばいい。悩む要素など、どこにあるのだろうか。

「じゃあ、カミリアって呼んでいい? あと、敬語はやめていいかな? 堅苦しいのは苦手でね」
 人懐こい笑みを浮かるラウルに、不快になる。いくら上司になったとはいえ、会って日も浅い男に、ファーストネームで呼ばれるのは不愉快極まりない。
「ケリー副団長とお呼びください。ところで、貴方の苗字はなんですか? 団長をファーストネームで呼ぶわけにはいきませんから」
 立場は自分のほうが下だと分からせるために敬語に切り替え、突き放すような言い方をする。カミリアの意図に気づいていないのか、ラウルは人懐こい笑みを浮かべたまま。

「そんな堅苦しいこと言わないでよ、カミリア。それと、僕に苗字はないよ、孤児院育ちでね。ただのラウル。団長とか騎士団長とかつけないで、普通にラウルって呼んでくれると嬉しいな。あと、敬語はいらないよ。さっきみたいな堅苦しい言葉も、できればやめて欲しいな」
 ラウルの馴れ馴れしさに、沸々と怒りがこみ上げる。こんな男に騎士団長の座を奪われたと思うと、悔しくて仕方ない。
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