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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第3章 国令
「一国民でもあるカミリアにそう言ってもらえるのは嬉しいな。実は数年前から親しくしているフェガリ人の貴族がいてな。マルティネス公爵といって、フェガリの時期国王最有力候補でもある。カミリアには、彼の護衛を頼みたい」
「護衛は引き受けますが、公爵が時期国王というのは、どういうことですか?」
「フェガリは世襲制ではないからな。俺が知ってる範囲だが、フェガリの話をしよう」
サウラはそう前置きをすると、フェガリについて話し始めた。
フェガリでは月には聖なる力が宿ると言われており、人々は月光浴を楽しんだり、月光浴をさせた石をお守りにしている。変わった風習といえばそれくらいで、男女や髪色などの差別はない。月や夜を尊重しているからといって、太陽を疎ましく思うこともない。
王族や貴族は出生で決まるものではなく、実力で決めるという。
どんな仕事でも給料はある程度の余裕がある生活ができる額で、貧困層はほとんどいない。さらに義務教育というものがあり、全ての子供達は学校に通っている。向上心がある優秀な子供は、更に難易度の高い勉強をするための特別学校がある。逆に、勉強についていけない子供のための学校もあるという。
それらの制度のおかげで、効率よく実力者を見極めることができる。そして彼らを貴族にすることで、より多くの人が幸せになる政治が行われる。実際、フェガリの政治や貿易は最先端と言われ、フェガリのやり方を参考にしている国が増えている。
サウラの口から語られたフェガリの国政に、感動で胸が打ち震えた。そしてフェガリと交友関係を結ぶことで、シャムスの貴族も、国民の暮らしについて考えるようになればと願った。貴族=政治家なのはシャムスも同じだが、彼らは国民から税金を搾取することしか考えていない。騎士団に身を起き、免税どころか国民の税金で暮らしている自分が言うのもおかしな話だが、シャムスの政治は明らかに間違っていると、常々思っていた。
「フェガリは簡単に言えば、実力主義だ。だからこそ、ライバルを消そうという動きが活発らしい……」
「なるほど、それでマルティネス公爵の護衛を……。ですが、何故私なのですか? フェガリに騎士団や自警団はいないのですか?」
「護衛は引き受けますが、公爵が時期国王というのは、どういうことですか?」
「フェガリは世襲制ではないからな。俺が知ってる範囲だが、フェガリの話をしよう」
サウラはそう前置きをすると、フェガリについて話し始めた。
フェガリでは月には聖なる力が宿ると言われており、人々は月光浴を楽しんだり、月光浴をさせた石をお守りにしている。変わった風習といえばそれくらいで、男女や髪色などの差別はない。月や夜を尊重しているからといって、太陽を疎ましく思うこともない。
王族や貴族は出生で決まるものではなく、実力で決めるという。
どんな仕事でも給料はある程度の余裕がある生活ができる額で、貧困層はほとんどいない。さらに義務教育というものがあり、全ての子供達は学校に通っている。向上心がある優秀な子供は、更に難易度の高い勉強をするための特別学校がある。逆に、勉強についていけない子供のための学校もあるという。
それらの制度のおかげで、効率よく実力者を見極めることができる。そして彼らを貴族にすることで、より多くの人が幸せになる政治が行われる。実際、フェガリの政治や貿易は最先端と言われ、フェガリのやり方を参考にしている国が増えている。
サウラの口から語られたフェガリの国政に、感動で胸が打ち震えた。そしてフェガリと交友関係を結ぶことで、シャムスの貴族も、国民の暮らしについて考えるようになればと願った。貴族=政治家なのはシャムスも同じだが、彼らは国民から税金を搾取することしか考えていない。騎士団に身を起き、免税どころか国民の税金で暮らしている自分が言うのもおかしな話だが、シャムスの政治は明らかに間違っていると、常々思っていた。
「フェガリは簡単に言えば、実力主義だ。だからこそ、ライバルを消そうという動きが活発らしい……」
「なるほど、それでマルティネス公爵の護衛を……。ですが、何故私なのですか? フェガリに騎士団や自警団はいないのですか?」