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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第4章 フェガリ
「話の続きだけど、僕を団長にさせたのはサウラと言っても過言ではないよ。どんな形でも、シャムスとフェガリの交友関係を築いてもらいたいって言ってたけど、たぶん口から出まかせだね」
「じゃあ、違う目論見があったってこと?」
カミリアの質問に、ラウルは大きく頷く。サウラがどういう目論見で彼を団長にしたのか気になり、無意識に前のめりになり、目線がラウルの口元に行く。
「まぁ、どんな目論見かなんて知らないんだけどね」
あっけらかんに言うラウルに、一気に気が抜ける。
「それなら、意味深な雰囲気出さないで……」
つい敬語になりそうになるのを、途中で食い止める。不自然に思われていないかとラウルを見るも、どうやら彼は気にしていないようだ。
「けど、あれも案外遊び心があるからね。面白そうだからって理由かもよ」
「えぇ……」
まだ少ししか話していないというのに、カミリアはもうクタクタだ。これが1ヶ月続くと思うとうんざりする。そんなカミリアにお構いなしに、ラウルは言葉を続けた。
「でもまぁ、無駄なことを嫌う奴だから、それだけではないのは確かだけど。話が変わるけど、君には1ヶ月で教養を身に着けてもらわないといけない」
「どうしても……?」
「うん、どうしても。僕の恋人なら、ある程度の教養がないと怪しまれるからね。大丈夫、簡単なところから覚えていけばいいし、優秀な教育係も用意するから」
ラウルは安心させようと微笑むが、カミリアの表情は曇ったままだ。
「具体的に何を?」
「うーん、そうだな……。まず、ダンスは必須だね。それからテーブルマナー、礼儀作法……。他に必要なものがあれば、教育係が教えてくれるよ」
お気楽なラウルに、先が思いやられる。舞踏会や会食の警備を何度かしたことがあるが、遠くから見ているだけでも社交の場は息が詰まる。特に笑顔を浮かべながら褒め合うも、違う人の前ではさっきまで褒めていた人の悪口を言って盛り上がるのは、見るに耐えない。それを自分もやらなければいけないと思うと、不安でいっぱいになる。
「じゃあ、違う目論見があったってこと?」
カミリアの質問に、ラウルは大きく頷く。サウラがどういう目論見で彼を団長にしたのか気になり、無意識に前のめりになり、目線がラウルの口元に行く。
「まぁ、どんな目論見かなんて知らないんだけどね」
あっけらかんに言うラウルに、一気に気が抜ける。
「それなら、意味深な雰囲気出さないで……」
つい敬語になりそうになるのを、途中で食い止める。不自然に思われていないかとラウルを見るも、どうやら彼は気にしていないようだ。
「けど、あれも案外遊び心があるからね。面白そうだからって理由かもよ」
「えぇ……」
まだ少ししか話していないというのに、カミリアはもうクタクタだ。これが1ヶ月続くと思うとうんざりする。そんなカミリアにお構いなしに、ラウルは言葉を続けた。
「でもまぁ、無駄なことを嫌う奴だから、それだけではないのは確かだけど。話が変わるけど、君には1ヶ月で教養を身に着けてもらわないといけない」
「どうしても……?」
「うん、どうしても。僕の恋人なら、ある程度の教養がないと怪しまれるからね。大丈夫、簡単なところから覚えていけばいいし、優秀な教育係も用意するから」
ラウルは安心させようと微笑むが、カミリアの表情は曇ったままだ。
「具体的に何を?」
「うーん、そうだな……。まず、ダンスは必須だね。それからテーブルマナー、礼儀作法……。他に必要なものがあれば、教育係が教えてくれるよ」
お気楽なラウルに、先が思いやられる。舞踏会や会食の警備を何度かしたことがあるが、遠くから見ているだけでも社交の場は息が詰まる。特に笑顔を浮かべながら褒め合うも、違う人の前ではさっきまで褒めていた人の悪口を言って盛り上がるのは、見るに耐えない。それを自分もやらなければいけないと思うと、不安でいっぱいになる。