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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第4章 フェガリ
「不安そうな顔して、どうしたの?」
「舞踏会の警備で、思ってもいない褒め言葉を言ったり、本人がいないところで悪口を見てきたから不安で……」
「あぁ、サウラからも聞いたことがあるよ。彼ら、自分の財産を増やすことしか考えてないから、すぐにつまらない争いをするってね。フェガリではそういったことは少ないし、今回は交友関係を築くのが目当てだから、そういうことは少ないんじゃないかな。まぁ、シャムスの貴族次第だけど」
それを聞いて少しだけ安心するも、他にも不安がたくさんある。中には理由がよく分からないものもあってモヤモヤするが、気にしたところで仕方ないと自分に言い聞かせ、できるだけいい方向へ考えようと試みる。
「ところで、フェガリのことはどれくらい知ってる?」
カミリアは最近まで敵対関係であったことや、サウラから聞いたことをかいつまんで話す。知っていることをすべて話すと、ラウルは困り顔で笑う。
「サウラのヤツ、いいところしか言ってないんだな」
「フェガリの悪いところって?」
「サウラが言ったように、騎士団が弱い。ついでに自警団もいるけど、彼らはほとんど実戦を積んでいないから、いざというときに機能するかは怪しいところだ」
ラウルは言葉を切ると、チラリと窓の外に目をやる。カミリアもつられて見ると、農民が畑仕事をしていた。手伝いをしている少年が馬車に気づくと、両手を大きく振った。
「実力主義者なのは、サウラから聞いたね?」
「貧しくても、実力があれば貴族位なれるって聞いたわ」
「そう、その通り。逆も然りでね。貴族や王族に生まれても、国民の役に立たないと判断されれば農民に降格させられる。身につけた知識を活かせないなら、労働で人々の生活を支えろって意味でね」
カミリアはフェガリの厳しさに驚くも、シャムスに取り入れてほしい制度だと思った。農民達が汗水たらして育った食材を食べながら、彼らからどう税金を巻き上げるか考えている貴族達に嫌気が差していた。この制度が導入されれば、どれだけの国民が救われるだろう。
「舞踏会の警備で、思ってもいない褒め言葉を言ったり、本人がいないところで悪口を見てきたから不安で……」
「あぁ、サウラからも聞いたことがあるよ。彼ら、自分の財産を増やすことしか考えてないから、すぐにつまらない争いをするってね。フェガリではそういったことは少ないし、今回は交友関係を築くのが目当てだから、そういうことは少ないんじゃないかな。まぁ、シャムスの貴族次第だけど」
それを聞いて少しだけ安心するも、他にも不安がたくさんある。中には理由がよく分からないものもあってモヤモヤするが、気にしたところで仕方ないと自分に言い聞かせ、できるだけいい方向へ考えようと試みる。
「ところで、フェガリのことはどれくらい知ってる?」
カミリアは最近まで敵対関係であったことや、サウラから聞いたことをかいつまんで話す。知っていることをすべて話すと、ラウルは困り顔で笑う。
「サウラのヤツ、いいところしか言ってないんだな」
「フェガリの悪いところって?」
「サウラが言ったように、騎士団が弱い。ついでに自警団もいるけど、彼らはほとんど実戦を積んでいないから、いざというときに機能するかは怪しいところだ」
ラウルは言葉を切ると、チラリと窓の外に目をやる。カミリアもつられて見ると、農民が畑仕事をしていた。手伝いをしている少年が馬車に気づくと、両手を大きく振った。
「実力主義者なのは、サウラから聞いたね?」
「貧しくても、実力があれば貴族位なれるって聞いたわ」
「そう、その通り。逆も然りでね。貴族や王族に生まれても、国民の役に立たないと判断されれば農民に降格させられる。身につけた知識を活かせないなら、労働で人々の生活を支えろって意味でね」
カミリアはフェガリの厳しさに驚くも、シャムスに取り入れてほしい制度だと思った。農民達が汗水たらして育った食材を食べながら、彼らからどう税金を巻き上げるか考えている貴族達に嫌気が差していた。この制度が導入されれば、どれだけの国民が救われるだろう。