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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第4章 フェガリ
「ついでに、囚人達も農業をしているんだよ。そのおかげで自給自足をしながらも、他国に輸出できる」
「効率重視なのね」
「そう聞こえる?」
ラウルはイタズラっぽく笑い、きっと他に理由があるのだろうと察する。カミリアなりに考えてみるが、答えは出ない。
「他に何か理由が?」
「あぁ、あるよ。ひとつめ、ひどい言い方だけど、穀潰しに食べさせるものはない。ふたつめ、フェガリの土は食物を育てるのに適している。これは有効活用すべき。そしてみっつめ。これが最大の理由なんだけど、作物や家畜を育てる大変さを学び、生きていくために本当に必要なのかを知ってほしい」
「つまり、更生してほしいってこと?」
「そういうこと」
カミリアは感嘆の息を吐いた。過ちを犯した者にも役割を与え、更生するチャンスがある。そんな素晴らしい世界を考えたこともなかった。
「本当に素晴らしい国だと思う。シャムスは差別や偏見ばかりで、息苦しくて」
「そう言ってもらえると嬉しいよ。けど、フェガリも差別や偏見がまったくないってわけではないよ。どんなに理想的な国でも、階級や容姿で差別をする人は一定数いるものだからね」
「それでも、シャムス人の私から見たら理想の国よ」
「そう言ってもらえると嬉しいよ」
はにかむラウルを見て、彼がいかにフェガリを愛しているのかが伝わってくる。1ヶ月程度とはいえ、フェガリで過ごせるのを嬉しく思う。気づけば不安は大幅に軽減されていた。
「あぁ、そうだ。大事なことを決めないと」
「大事なこと?」
ラウルが思い出したように呟き、カミリアは小首をかしげる。フェガリや任務内容など、大事なことはほとんど話した。他にどんな大事なことがあるのだろう?
「カミリアの設定だよ。シャムス人の騎士を護衛につけていることは秘密だからね」
「なるほど、確かにそれは大事なことね。その前に、ひとつ聞いていい?」
「何かな?」
「どうして私を護衛に? あなた、私の何倍も強いのに」
ラウルは一瞬目を見開き、いつもの穏やかな笑みを浮かべた。カミリアはどんな答えが出るのか、少しドキドキしながらラウルが答えるのを待つ。
「効率重視なのね」
「そう聞こえる?」
ラウルはイタズラっぽく笑い、きっと他に理由があるのだろうと察する。カミリアなりに考えてみるが、答えは出ない。
「他に何か理由が?」
「あぁ、あるよ。ひとつめ、ひどい言い方だけど、穀潰しに食べさせるものはない。ふたつめ、フェガリの土は食物を育てるのに適している。これは有効活用すべき。そしてみっつめ。これが最大の理由なんだけど、作物や家畜を育てる大変さを学び、生きていくために本当に必要なのかを知ってほしい」
「つまり、更生してほしいってこと?」
「そういうこと」
カミリアは感嘆の息を吐いた。過ちを犯した者にも役割を与え、更生するチャンスがある。そんな素晴らしい世界を考えたこともなかった。
「本当に素晴らしい国だと思う。シャムスは差別や偏見ばかりで、息苦しくて」
「そう言ってもらえると嬉しいよ。けど、フェガリも差別や偏見がまったくないってわけではないよ。どんなに理想的な国でも、階級や容姿で差別をする人は一定数いるものだからね」
「それでも、シャムス人の私から見たら理想の国よ」
「そう言ってもらえると嬉しいよ」
はにかむラウルを見て、彼がいかにフェガリを愛しているのかが伝わってくる。1ヶ月程度とはいえ、フェガリで過ごせるのを嬉しく思う。気づけば不安は大幅に軽減されていた。
「あぁ、そうだ。大事なことを決めないと」
「大事なこと?」
ラウルが思い出したように呟き、カミリアは小首をかしげる。フェガリや任務内容など、大事なことはほとんど話した。他にどんな大事なことがあるのだろう?
「カミリアの設定だよ。シャムス人の騎士を護衛につけていることは秘密だからね」
「なるほど、確かにそれは大事なことね。その前に、ひとつ聞いていい?」
「何かな?」
「どうして私を護衛に? あなた、私の何倍も強いのに」
ラウルは一瞬目を見開き、いつもの穏やかな笑みを浮かべた。カミリアはどんな答えが出るのか、少しドキドキしながらラウルが答えるのを待つ。