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濡れた視線(改定版)
第3章 肉欲と愛欲の狭間で
爽やかな陽光をみせた午前とは一変し、記録的な真夏日を更新したと告げる午後。
段ボールに入れたままの細かい日用品を各々の場所に収め、広い壁面を額装したアートで飾り終えると、シューズクロークに収まりきらない、自ら買い揃えたドレスシューズやスニーカーの類に呆れつつ、その収納場所を考えあぐねる贅沢な時間を持て余しながら、既に使わなくなったキャンプ用のテーブルセットを南面のベランダに置くと、自分好みに染まって行く部屋を見渡しながら、一人悦に入っていた勇矢。

そして16:45を示す腕時計を垣間見ると、同時に潤子からの着信を告げる携帯がけたたましく鳴り響いた。

『船本さん、せっかくのお休みにごめんなさい。実は浴槽の温水が溢れて止まらないの。どうして良いか判らなくて、設計に携わる貴方なら…と思って』

『ん?蛇口から流れっぱなしと云う事ですか?』

『違うの、家は常時循環温水風呂で、いつもは溢れる事も無く、午前中使った時は何も異常は無かったんですけど…』

『判りました、直ぐ伺いますので…』と、概ねの想定をした勇矢は周辺機器の取説を用意しておく様に伝えると、電気抵抗を計るクランプテスターにドライバーセット、そして水栓用の工具一式を携え、裏庭から小走りに駆けつけていた。

『ごめんなさい船本さん、こちらなんです…』困惑した表情を浮かべながら手招く潤子に案内されると、日中想像したとおり、その浴室は潤子の寝室の隣に設けられていた。

潤子から手渡された取説を見開き、トラブル対応のページを瞬読した勇矢。
施工図を元に電気式循環温水ボイラーの設置された勝手口に回り、デジタル表示に水位センサー異常を告げる点滅を覚知すると、ボイラーの電源を一旦遮断し、数分の間を置いて再稼働を実施。再び浴室内に戻り、循環が停止し、44℃迄上昇した浴槽の温度が徐々に下がり始め、溢れていた温水も設定された水位に戻り始めると、見守り続ける浴槽のデジタル温度計が、潤子が設定したと思われる40、6℃に回復した。

『潤子さん、もう大丈夫!急激な外気温の上昇に伴い、マイコン制御のボイラーが誤作動したんです…』

勇矢の後ろ手に周り、その挙動を着かず離れず見つめていた潤子…。
辺りには帳が降り始め、勇矢が垣間見る腕時計は、既に18:00を周っていた。
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