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濡れた視線(改定版)
第3章 肉欲と愛欲の狭間で
『船本さん、如何でした?どうぞこちらで…』脱衣場の扉の開閉で気配を感じたのか、隣接する寝室から呼びかける潤子に気付き、張り巡らされた蚊帳越しに仄暗い室内に目を凝らすと、縁側に続く畳の淵で品をつくり、顔を手向ける潤子が朧げに見て取れていた。

『すみません、厚かましくも長湯してしまい…』寝室の蚊帳を捲り上げるように掻い潜ると、およそ8畳敷きの畳の間に読書スタンドの明かりだけ点けられ、蚊帳の外の縁台に複数の蚊取り線香が置かれると、何処か懐かしい芳香と共に、立ち昇る白煙が揺らいでいた。

『良かったぁ…。ちょっと長いので心配してたんですよ?』

『余りに気持ちの良い湯加減で、それにしても豪勢なお風呂ですね…』

『元々は乾物や野菜の貯蔵庫だった処を、ヨガやフィットネスに興じる私の為に、夫が亡くなる2年前に造改築してくれたんです。今思えば夫からの最後のプレゼントになってしまったんですけど…。あっ!ちょっと待っててくださいね』

昼間見せていたカットオフデ二ムのパンツはそのままに、青白く浮かぶ下肢を惜しげも無く覗かせ、レースが縁取る黒い見せブラをシフォン地のスモックの下に滲ませると、括れた腰をたおやかに揺らしながら、キッチンへと姿を消していた。

暫くすると、ホテル用のカートを押す潤子が仄暗い寝室に戻り、夕涼みついでに晩酌を用意したと言い、2人分の丸盆には茹でた枝豆に茄子の辛し和え、そして炙り焼いた厚揚げが各々の丸盆にのせられ、汗をかいた瓶ビールがグラスとともに添えられた。

『今夜は本当にありがとうございました。私ってこう言う事にはまったく疎くて…』

『いえいえ、機械設備に明るい女性なんて、そうそういませんから…』

『船本さんが居てくれて助かりました。多分、これからもお世話になるかも知れないですし、それなりのお返しはさせて下さいね?』

『僕こそ引っ越して来るなり、もてなして貰ってばかりで。何か恐縮してしまいます…』

『それにしても、その甚平凄くお似合いね。それと…替えの下着。驚きました?』

『あっ!いゃ、ご主人って随分若々しい方だったのかな…とは』

『うぅん…、私の好みで揃えていた買い置きなんです。夫はもったいない精神が強く、下着は他所様には見えないからって、ボロボロになるまで着倒す人で、早めに新しい下着に取替えて欲しいと懇願しても、頑として聞かない人で…』
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