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濡れた視線(改定版)
第3章 肉欲と愛欲の狭間で
『ねぇ船本さん、今夜はお近づきの印として無礼講で飲み交わしましょうよ…』

『お酌は堅苦しいので、それぞれ手酌でね…』と、満面の笑みを勇矢に手向けると、それぞれの丸盆に、それぞれに添えられたビール。潤子はグラスに注いだビールを呑み干してみせると、亡き夫との夫婦生活を赤裸々に語り始めていた。

『実は幼い頃に患った麻疹が原因で、夫は性的不能者だったんです…。当然、私達夫婦に婚前交渉と呼べる行為は無く、それに私は私で不倫での痛手がかなり尾を引いていて、当時の私はそういう性的な問題より安心を得たかったのかも知れません…。それに薬学部を卒業し、薬剤師の知識も備えていたから、私なら何とかしてあげられるかも…。て、思えたし、でも結婚当初の私は28歳。正直そういう欲求に駆られる夜もあって…。33歳迄の5年間はそれなりに努力もし、漢方調剤から外資系製薬メーカーの製剤も試させてはみたけど、新婚当初が既に男性としては下降線を下り始める46歳。外資系の製剤でそれなりの漲りをみせた物も有るにはあったけど、心臓への負担が大きいから…と、信頼するクリニックの先生に止められていたんです…』

勇也は突然のカミングアウト驚きながら、ただ頷くしかなかった。
『打ち明けてくれてありがとうございます。でも潤子さんだけじゃ無く、ご主人も相当辛かった事でしょうね…』

『それは常々感じていましたね、いつも私を気遣って。こうして何不自由無く暮らせるのも、夫が遺し置いてくれた物のお陰で、本当に感謝しています』

『慣れ慣れしく下の名前で呼んでごめんなさい。もう遅いので失礼しますが、僕に出来ることなら何でもお手伝いさせて下さいね…』

『うぅん、寧ろ嬉しかった。潤子って、呼んで貰って構いませんし、私こそつまらない話で引き留めてしまい…』


(私、ともしたら勇矢さんと出会う為に用意していたのかな…)

帰って行く勇矢の甚平姿をしげしげと見つめ、その背中に抱きつきたい衝動に駆られていた潤子。そして洗い物をキッチンに運び終え、グラスに残る勇矢のビールを一気に飲み干すと、熟れた身を持て余した5年の歳月を取り還せとばかりに、潤子の中の理性と欲望が激しくせめぎ合っていた…。

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