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濡れた視線(改定版)
第4章 重なり合う想い 惹かれ合う肉欲 
静寂の闇に包まれた深夜。浴槽に全身を投げ出し、溢れる湯水の音色を浴室に木霊させると、乳房に両手をあてがい、卑猥な突起を見せる頂を指先でつま弾くと、予め用意していた洗濯ピッチを、その双方の頂に挟み留めた。

『ぁあぁ・・っ、いぃいっ・・!』自ら洗濯ピッチで加虐する乳首。そしてその歪に高揚した乳房を湯水に浸し、漆黒の密林が覆う女陰を湯面に浮遊させ、バブルジェットマッサージャーの吐水口に合わせて両足を開くと、微細な気泡を伴う流水が直流と渦流を交互に繰り返し、既に口割けていた大陰唇から桜色に染まる小陰唇をも押し割き、その桜色に染まる果肉の先端には、包皮から剥き出され、膨張した陰核の蕾さえ覗かせていた…。

『あっ、あっ、ゆ、ゆぅ、勇矢ぁあぁ…っ、い、逝くぅ・・っ!』そして更なる快感を求めるように、浴槽の両縁に両手と両脚を掛け、Ⅿ字開脚に浮かせた下肢を吐水口に迫り出すと、前後に揺らぐ激しい腰使いが湯舟のお湯を波立たせ、顎を仰け反らせ、勇矢の名をむせび泣くように発すれば、抑えていた潤子の欲情の処理が、厳かに治められていた…。

勃起不全に非閉塞性無精子症。検査の度、夫婦ともども辱めも受けながら、精巣造成機能がほぼ皆無だった現実を受け入れ、いつしかクリニックへ向かう足も遠退いていたのが実情。

『潤子の躰は何処を取っても性感帯が張り巡らされてるね…』生前、亡くなった夫が良く潤子に手向けていた言葉で、それは潤子自身も自覚していた事だった。そして性交の伴わない夫婦の営みであっても、夫は夫なりに絶妙な手技や舌技を持ち寄り、潤子を華美な悦楽へと導いてくれた事もそれなりにあった…。けれど、それさえなくなったこの5年間、潤子の中に眠る性への渇望が充たされる訳もなく、船本勇矢と云う一人の男性の出現で、潤子の中に秘めた情念がメラメラと再燃し始めていた。

(何日か振りだろう…)夫からの最後のプレゼントとなった豪勢な浴室。そこは潤子を慰めてくれる唯一の拠り所であり、悶々と燻っていた欲情を治まらせると、潤子は未だ火照りの残る全身に冷水シャワーを浴びせた。
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