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濡れた視線(改定版)
第5章 誘惑への序章
『縁側の紙袋、確認出来ました。私、自分の下着まで届けてるなんて…。余計な気を使わせてしまい本当にごめんなさい。そう言えば勇矢さんの夏休み、日曜迄でしたね?土日はのんびりされたいと思うので、明日の金曜、井之頭恩賜公園の花火大会を眺めながら、晩ご飯をご一緒したいと思っています。

それと薄荷湯の薬草も購入したので、私一人の入浴では勿体無いし、勇矢さんにも使って貰えたらと思って…。ハーブ特有の清涼感だけじゃなく、疲労回復や殺菌作用もあるので、明日は楽しみにしていて下さいね?あっ、時間は16:00で、前回同様、裏庭から直接来て貰って構わないので…』

『潤子さん、そんなにして貰うと気が引けちゃいますよ…』

『うぅん、私がそうしたいの、だから待ってる…。ねっ?』

捲し立てる様に自分の思いを告げた潤子。携帯越しの声に焦りにも似た語気を感じると、勇矢からの返答を待たずして、一方的に切られた通話。

そんな遠回しな言い方にも、勇矢には潤子の覚悟が透けて見え、その確かな手ごたえに迷いも躊躇いも消え失せると、ベッドの上で安らかな眠りの淵に堕ちていた…。

翌朝09:20。来週から再開する仕事モードでのアラーム音で目覚め、歯ブラシを咥えたまま北面のベランダに立てば、何かが憑依したように潤子の姿を探す始末。

開けられた簀戸から蚊帳張りの寝室を覗かせ、隣接する浴室の煙突から蜃気楼のような湯煙が揺ぎ、未だ浴室の外壁に立て掛けられた縄梯子を一瞥すると、薄荷湯のミントの匂いが、夏の涼風に乗って届けられていた。

10:00ジャスト。今日の気分はヘルシーな和食と決め、焼いた鮭に大根おろし、そして茄子の浅漬けに豆腐の味噌汁。躰に染み入る健康的な朝食を平らげ、おもむろに点けたTVから関東圏に北上すると思われていた大風が、日本海側へと軌道を反らしたと告げながら、フェーン現象が唐突な通り雨を引き連れ、慌てて洗濯物を取り込む勇矢。

太陽の陽射しを浴び、パリッと乾いた膝下丈の甚平。どうせなら今夜もこれを着ようと決め、一吹きにしたSAVONを潜り、そわそわと落ち着きを無くした躰を持て余し、気分転換に井の頭恩賜公園へと出向いていた。
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