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濡れた視線(改定版)
第7章 墨画の女
(潤子と同じ未亡人、しかも年齢まで同じか…)額装された墨画を手に家路へと戻る道すがら、奇異な偶然を併せ持つ杉浦響子という女性と遭遇し、後ろ髪を引かれるような不思議な感覚を覚えていた勇矢。そして帰りしなに立ち寄った諏訪酒店で、愛飲するマッカランのボトルを一本買い求めると、勇矢が手にした墨画が店主の気を惹いたのか、見せて欲しいという店主に応じ、フィギュア20号サイズを覆う包みを解いてみせた…。

『あぁあ、何とも色っぽい婦人画ですねぇ、この乳房の曲線なんか余りにリアルに描かれてて…。あっ!ギャラリー響子で??』と、店主は包みに印字された店名を勇矢の手元に垣間見ると『こうして観てると、吸い込まれるようで、それにしても悩ましくそそる絵ですね』と、言葉を続けた。

『諏訪さん、さすがに顔が広いですね、この墨画、井之頭公園のフリーマーケットで見つけたんですよ、一目で気に入って出品者の女子大生から購入しましたら、ギャラリーのお嬢さんが描かれたもので、ついでに額装もお願いして、たった今ギャラリーから引き取ったところなんです…』

『へぇ、あの綾子ちゃんがねぇ…。小さい時分から知ってますけど、こんな才能を発揮するようになるなんて、随分と大人になったんだ。オーナーの響子さんとは、ご主人との縁で知り合いましてね、注文を受けた品をご自宅に配達するようになって、それ以来親しくさせて貰ってるんですよ。でも気の毒な事に、ご主人5年前にお亡くなりになりましてね、そうそう、箕田の奥さん。あの潤子さんとも親しいようで、時折箕田さんの屋敷に出向いて、一緒にヨガに興じるらしいですよ、同じ未亡人同志、自然と惹き合ったんでしょうかね…』

(同じ未亡人で同じ年齢、それに加えて夫を亡くした年さえ同じ…)

勇矢は話尽きない店主を遮るように店を後にすると、その胸に去来する妙な胸騒ぎを覚えながら、煉瓦貼りのマンションに辿りついていた。

(諏訪さんが言うように、妙にそそられるよ…)リビングに掛けた墨画を鑑賞しながら、ロックグラスを傾ける至福の時。傍らに置いた携帯が俄かに着信メールを告げ、見開いたメールの見覚えの無いアドレスを目にすると、杉浦綾子からの文面が綴られていた。
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