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サブリミナル〜多面性をもつ主婦〜
第10章 団地妻、加奈子
私は手で口を抑えながら入り口から徐々に離れるようにその場から逃げ去った。

私には・・・関係ないわよね。
うん。他の誰がなんだろうと知った事じゃないわ。

ちょっと。覗いてみようかしら?
確か、4924•••とか何とか言ってたわね。

4棟の9号室に24歳の人が何なんだろう?
私は、恐る恐る陰から覗いてみた。

すると、さっき入り口で見かけた男性が9号室の玄関脇のインターフォンらしき物にスマホの画面を当てていた。

スマホには、さっき入り口で管理室からバーコードを入力したらしく、扉が開いた。

バーコードは鍵になっているらしかった。
私は、部屋に向かった。

何だろう?何なのかしら?
部屋の入り口まで来た私は、自分の部屋の玄関脇のインターフォンを調べてみた。すると••••。

ぱかッと開いて、内部にセンサーらしきものがある。
センサー?何の?
バーコードなんて。人間を管理してるのかしら?
まさか。

私の身体にはおかしな物はないはず。
よく外国の犯罪者の腕とかにバーコードの刺青みたいなものがあって、それで管理してるって映画があったけど。

それをピッとバーコードリーダーで調べると、生年月日、住所、年齢、経歴など全て分かるらしい。

管理人は、管理室のパソコンで、バーコードを調べていた。
ん〜と、49247510と。かちゃかちゃ。
画面はズラリと、パ〜と何人ものバーコードが並んでいた。

ナンバー10、村上涼子と。元AV?
ん?身体レベル5?
打ち間違いだな、こりゃ。技レベルが5で身体レベルが7だな。

パソコン画面の下部には、
24320969•••ナンバー69、佐藤加奈子、32歳、技レベル0、身体レベル9と表示されていた。

管理人は、打ち間違いを直し、
送信•••と。

送信されたデータは全てバーコードに送られる。
管理画面には、それだけじゃない情報があった。
数年前まで、さかのぼると。

2棟4号室の前の住人に、坂本夏月の名が残されていた。
囲い込んだのは、どうやら旦那の会社の部長だったが、今の加奈子には知る由もなかった。

この団地は何だろう?いったい。

昼間はひっそりと静まり返った団地ではあるが、夜になると多少賑やかさが出る。









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