この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
また桜は散り過ぎて
第4章 喫茶・桜葉

 一時間ほどゆっくりと過ごして、席を立った。
会計の時、私は勇気を振り絞って店主に声をかけることにした。
「ケーキ、とっても美味しかったです」
何か気の利いたことを喋ろうと気持ちを整えたけれど、いざとなったらこんなありふれた、
それもたった一言しか出てこなかった。
「ありがとうございます。気に入っていただけて嬉しいです」
店主の小西さんもまた、当たり障りのない返答を口にした。
よく見るとその口元は、もっと言葉をこぼしたそうだった。
 うっすらとした沈黙。でもプレッシャーには感じなかった。
それは相手も同じようで、お釣りをトレーに置きながらゆったりとした笑みで頭を下げた。
「またのお越しをお待ちしてます。これ、よかったら」
お店の名刺と再びの割引券を、こちらは手渡ししてくれた。
 ゆっくりとした動作でドアを開ける。
かわいらしい鈴の音を頭上で聞きながら振り返ると、
店主の小西さんが穏やかな眼差しで私を見ていた。



/124ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ