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また桜は散り過ぎて
第9章 さくらバーで知った、今と過去
「おっ!お邪魔なタイミングだったかぁ?あら、晴海ちゃんじゃない。
マスターになんかされなかった?セクハラされたんなら訴えてやんな!」
入って来たのは常連の柴崎さんだった。
2人の女性と共ににぎやかに入って来てテーブル席についた。
すかさず省吾さんがおしぼりを持ってテーブルへと近づく。
何事もなかったように柴崎さんたちの相手をしている。
楽しそうな様子を背中で感じながら、省吾さんが包んだ手のひらをじっと見つめる。
あれは・・どういうつもりで言ったのだろう。
私は、私が想像している意味だと考えてもいいのだろうか・・
省吾さんがカウンターに戻ってくる頃にはグラスはカラになり、
ご馳走になったカナッペも食べつくしていた。
「グラス、カラだね、なに飲む?」
今夜はもうお酒を飲む気分ではなくなったのだが、これで帰ると言うと
さっきの行動が気に障ったように思わせてしまうようだと、
もう一杯だけ飲んで帰ることにした。
「じゃあモヒートを」
うん、と肯いた省吾さんにテーブル席からも声が飛ぶ。
「こっちもモヒート3つね」
もうどこかで飲んできたのか、酔いを感じさせる声音だ。
その柴崎さんがカウンターにやって来て私に聞く。
マスターになんかされなかった?セクハラされたんなら訴えてやんな!」
入って来たのは常連の柴崎さんだった。
2人の女性と共ににぎやかに入って来てテーブル席についた。
すかさず省吾さんがおしぼりを持ってテーブルへと近づく。
何事もなかったように柴崎さんたちの相手をしている。
楽しそうな様子を背中で感じながら、省吾さんが包んだ手のひらをじっと見つめる。
あれは・・どういうつもりで言ったのだろう。
私は、私が想像している意味だと考えてもいいのだろうか・・
省吾さんがカウンターに戻ってくる頃にはグラスはカラになり、
ご馳走になったカナッペも食べつくしていた。
「グラス、カラだね、なに飲む?」
今夜はもうお酒を飲む気分ではなくなったのだが、これで帰ると言うと
さっきの行動が気に障ったように思わせてしまうようだと、
もう一杯だけ飲んで帰ることにした。
「じゃあモヒートを」
うん、と肯いた省吾さんにテーブル席からも声が飛ぶ。
「こっちもモヒート3つね」
もうどこかで飲んできたのか、酔いを感じさせる声音だ。
その柴崎さんがカウンターにやって来て私に聞く。