この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
また桜は散り過ぎて
第10章 喫茶・桜葉で知った、過去と事実
カラになった銀のお皿と入れ替えに、今度はデザートのティラミスが置かれる。
その頃には他の客はみないなくなっていた。
「あの、ホットコーヒーは頼んでないけど」
ケーキの皿と共にホットコーヒーが置かれたので、
マスターがめずらしく間違えたのだと思い申告した。
「これはサービス。アイスコーヒーもカラになっちゃったでしょう、
だからケーキのお供にどうぞ」
本当に、気を使ってくれる人だ。
「ありがとうございます。ほんとに小西さんは良い人過ぎますよ」
遠慮なくコーヒーをすすり、ケーキにフォークを入れる。
相変わらずの美味しさに頬をたるませ、引き締めるためにコーヒーを口に含む。
幸せのひと時って、こういうささやかな瞬間でいいんだって、
改めて教えてくれる、喫茶・桜葉と小西さん。
・・ああ、私はこことこの人を、好きだと言葉にできるくらい、好きになった・・
水道の流れる音にかき消してもらえるくらいの小さな声で、呟いた。
その頃には他の客はみないなくなっていた。
「あの、ホットコーヒーは頼んでないけど」
ケーキの皿と共にホットコーヒーが置かれたので、
マスターがめずらしく間違えたのだと思い申告した。
「これはサービス。アイスコーヒーもカラになっちゃったでしょう、
だからケーキのお供にどうぞ」
本当に、気を使ってくれる人だ。
「ありがとうございます。ほんとに小西さんは良い人過ぎますよ」
遠慮なくコーヒーをすすり、ケーキにフォークを入れる。
相変わらずの美味しさに頬をたるませ、引き締めるためにコーヒーを口に含む。
幸せのひと時って、こういうささやかな瞬間でいいんだって、
改めて教えてくれる、喫茶・桜葉と小西さん。
・・ああ、私はこことこの人を、好きだと言葉にできるくらい、好きになった・・
水道の流れる音にかき消してもらえるくらいの小さな声で、呟いた。