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恋とエロス
第3章 愛でも恋でもない関係
リムジンがホテルに到着すると、遅い時刻にも関わらず、ホテルマンがずらりと並んで待っていた。
車のドアが開けられ、悠斗が先に降りると、案内するような格好で赤いカーペットの上を歩き出す。
「いらっしゃいませ。ようこそ当ホテルへ」
はきはきと声を揃え、教科書通りのお辞儀を見せたホテルマンたちの前を、匡は鷹揚にうなずいて通り過ぎた。
「三条様、いらっしゃいませ。当ホテルの支配人でございます」
中に入ると中年の支配人が出迎え、匡は立ち止まって挨拶を受ける。
その隙に、悠斗が私に近付いてきた。
「おまえ、わかってるか? 今夜の役目」
小声とはいえ、こんなところで確認すべきことではないだろう。
「ご心配なく」
「しっかりな。何されてもおとなしく言うこと聞けよ?」
さすがに返事する気もなくなり、黙ってうなずく。
「若くても要求するもんなんだな。女に困ってるようには見えないけど」
下卑たことをささやき、口元に笑いをうかべる悠斗を見て、私は小さくため息をもらした。
実の妹に性接待させることに、この男は一欠片も後ろめたさを感じてなさそうだ。
「もしかして、もうそういう関係なのか?」
いい加減にして欲しい。
「帰ったら余計なこと言わないで。お祖父様には明日、私から直接お話するから」
「じゃあ何て説明するんだよ?」
「兄さんが言わなくても、谷田が報告するでしょう」
悠斗は笑いを引っ込め、ふり向いて谷田を見た。
「俺、あいつ苦手」
だから何だというのか。今ここで言うことか。
私はあきれて悠斗から目を背けた。
「万結」
匡が私を呼ぶ。
「行こう」
車のドアが開けられ、悠斗が先に降りると、案内するような格好で赤いカーペットの上を歩き出す。
「いらっしゃいませ。ようこそ当ホテルへ」
はきはきと声を揃え、教科書通りのお辞儀を見せたホテルマンたちの前を、匡は鷹揚にうなずいて通り過ぎた。
「三条様、いらっしゃいませ。当ホテルの支配人でございます」
中に入ると中年の支配人が出迎え、匡は立ち止まって挨拶を受ける。
その隙に、悠斗が私に近付いてきた。
「おまえ、わかってるか? 今夜の役目」
小声とはいえ、こんなところで確認すべきことではないだろう。
「ご心配なく」
「しっかりな。何されてもおとなしく言うこと聞けよ?」
さすがに返事する気もなくなり、黙ってうなずく。
「若くても要求するもんなんだな。女に困ってるようには見えないけど」
下卑たことをささやき、口元に笑いをうかべる悠斗を見て、私は小さくため息をもらした。
実の妹に性接待させることに、この男は一欠片も後ろめたさを感じてなさそうだ。
「もしかして、もうそういう関係なのか?」
いい加減にして欲しい。
「帰ったら余計なこと言わないで。お祖父様には明日、私から直接お話するから」
「じゃあ何て説明するんだよ?」
「兄さんが言わなくても、谷田が報告するでしょう」
悠斗は笑いを引っ込め、ふり向いて谷田を見た。
「俺、あいつ苦手」
だから何だというのか。今ここで言うことか。
私はあきれて悠斗から目を背けた。
「万結」
匡が私を呼ぶ。
「行こう」