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恋とエロス
第3章 愛でも恋でもない関係

 用意された部屋は特別室らしく、リビングルームの一角にはミニキッキンとバーカウンターがあり、寝室は二つ付いていた。

 バスルームも広く、手前のパウダールームとの間はガラス戸で仕切られていて、トイレは別になっている。

 こんな豪華な部屋が、このホテルにあるとは知らなかった。

「お湯たまった?」

 リビングに戻ると、匡は黒い服を脱ぎ捨て、ほぼ裸になっていた。パンツ一丁というやつだ。さっきまでの態度を思えば笑ってしまう。

「ここで脱がなくても」

「万結しかいないからいいだろ」

 言いながら、彼は私の背後に手を伸ばし、水色のワンピースのファスナーを下ろした。止める間もなくするりと脱がされ、下着姿にされてしまう。

「うわ、清楚な服の下にこんなエロいの着てたんだ?」

 シフォン生地のキャミソールは白一色で、レースがふんだんに使われていて、肝心な部分以外は透けて見えるデザインだ。ショーツとのセットで少し高価だったが、ひと目で気に入って買ってしまった。

「これはそんなに……白だし」
「いや、万結が着ると黒とか紫よりそそる感じ」

 匡は言いながら私の腰を引き寄せ、自分の股間をぐりりと押し付けた。

「ほら、もうこんなになってる」

「ふふふ、早いって」

 そう言いながらも、我慢できずに彼の下着に手をかけた。さわさわとなぞるように盛り上がった部分をこする。薄い布地ごしに熱く重量感を増していくのを感じて、思わず息をもらす。

 匡の頬がうっすらと朱に染まり、キスをねだると小鳥がついばむような軽い口づけを繰り返し、欲情の高まりとともに切れ長の目が潤んでいく。

 ああ、たまらない。

 どうしてこの男はこんなに性的魅力に満ち溢れているのだろう。

「ちょっと一回してから……」

 切羽詰まったように切り出す匡。

「だめ。お風呂冷めちゃう」

 さっきの仕返しのように、私は笑いかけ、彼の手を引いてバスルームに向かった。
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