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恋とエロス
第4章 手の届かないひと
どうやって、あんな目立つ人と知り合えばいいのか。
他の子たちのようにミーハーなふりをして、きゃあきゃあ言いながら寄っていったらいいんだろうか。
そもそも三年生の彼はふだん、私たち新入生が通う教養キャンパスではなく、ゼミのある都心の本校舎にしか現れないのではないか。
様々な考えが頭の中をめぐったが、それよりもずっと混乱をまねく強烈な欲求が、私の体内をざわつかせていた。
あの男を裸にむいて、むしゃぶりつきたい。
すみずみまで舐めまわしたい。
快感に歪んだ淫らな表情を見てみたい。
その時、まだキスさえ経験のなかった私が、なぜそんな欲望にさいなまれてしまったのか、今もよくわからない。
匡を目にした瞬間から、媚薬(びやく)を盛られたかのように、全身が熱く燃えたぎるような感覚にとらわれ、手の届かないもどかしさに絶望すら覚えた。
表面上は平静を装いながらも、スカートの下は熱く蒸れていて、あふれ出てくる雫が止まらず、立ち上がったら滴り落ちるのではないかと心配になるほどだった。
そもそもショーツが濡れる感覚など初めてで、自分の体はいったいどうなってしまったのかとパニックを起こしかけていた。
新歓イベントがすべて終わり、周りの人々がぞろぞろと出て行き、先輩たちが片付けをはじめる頃、ようやく我に返って立ったが、足に力が入らなくてフラフラとしか歩けない。