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恋とエロス
第1章 プロローグ
「あんまり痛くするなよな」
返事をする余裕はなかった。
半身を起こし、彼の上腕に口づけ、なめらかな肌に舌先を滑らせる。何の味もしないけど、吸いつき舐めまわすことをやめられない。
「ほら、サービス」
そう言うと彼は、私がしゃぶりついている腕に力を入れ、筋肉を浮かび上がらせてくれた。
「あ……たまんない」
思わず声に出し、歯を立ててかじりつく。
「痛っ」
ちょっとした甘噛みなのに、大げさな。
私はその部分を思いきり吸って、白い肌に赤い花を咲かせてやった。もしかすると噛まれるより痛かったかもしれない。
「ごめんね、先輩」
お互い、キスマークはつけないこと……そんな約束が有効だったのは最初の頃だけだけど、一応謝ってみる。
「あーあ、しばらくノースリーブ着れないじゃん」
彼はニヤけた顔を近づけ、私の唇をなめた。
「いっぱいキスしながらやらせろ」
ベッドに押し倒され、両手で膝を開かれる。真上からのしかかられ、目を合わせたまま大きな口に唇をむさぼられる。強引に引き出された舌を甘く吸われ、気が遠くなりそうだった。
ぴったり重ねられた裸の胸が熱く、彼の心臓の音まで響いてくる気がした。
押さえつけられるような格好で上に乗られているのに重みはさほど感じない。それもまた彼の性技のひとつなのだろう。意識してのことではなく、自然に身に付いているもののような気がした。