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先輩!彼氏にしてください!
第10章 腑抜けた天才



「はぁっ……はぁっ……」



生徒会室の扉の前で息を整えながら、向かってくる先生に向き直る。


しつこい……


しかも先生のくせに関係なく廊下を全速力で走ったり…


やっぱり早坂先生はかなり変わった人だ。




「はぁ…っ…いやぁこの歳のダッシュはきついっ……」



追いついた先生は僕の前で膝に手をつきながら同じく息を整えている。



「先生っ……しつこいです! 行かないって言ってるじゃないで───」


「────── 安藤さん!!」



僕を無視した早坂先生は、生徒会室の扉を開くなり大きな声でほのか先輩のことを呼んだので、びっくりして目を見開いた。



同じく、中にいた生徒会のみんなもびっくりして早坂先生のことを見ていた。



「はやさか…先生……?」



顔を顰めているほのか先輩に、早坂先生が差し迫る。


その後ろ姿をみながら、『まずい』と直感的に感じて追いかける。


けどそんな間もなく早坂先生はほのか先輩の両肩を掴んだ。



「折り入って頼みがある!」


「は……い…??」


「来週の土曜日、誕生日なんだってね」


「来週の土曜日……? えーっと……あぁそう…ですね。え? てかなんで知って─── あぁ…」



首を傾げてたほのか先輩は、先生の背後にいる僕のことに気付いて納得したように声を漏らしていた。



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