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先輩!彼氏にしてください!
第10章 腑抜けた天才



「………つーかさ、水を差すようで悪いんだけど」



そう言いながら、拍手と辞めた副会長の星野くんは、私と谷川くんを交互に指差す。




「会話聞いてて思ったんだけど…お前らって、結局、そういう関係になったの……?」



「……えっ……あ、……っと…」



そういう関係っていうのは、つまりは付き合っているのかってことなんだろうけど。


そういえば、はっきりとその辺りについて話してなかった。


というか、私が明確に答えてない、だけなんだけど……




「えぇ。『そういう関係』です。僕は…ほのか先輩の彼氏です!!!!」



真逆に谷川くんは、確信を持って叫び出す。


でも、みんなはそんな谷川くんよりも、私の反応の方をじっと見ている。





「…………いや、『付き合う』なんて言ってないけど」


「えっ……ちょ、ほのか先輩!?!?」



私の答えを聞いて、周りは『なーんだ』とばかりに肩を落としている。


その中で谷川くんだけがかなり慌てた様子で私の手をさらにキツく握ってきた。



「えっ……でもっ…僕のこと好きって…! そう言ってましたよね!?!?」


「ホマレ、安藤に執着しすぎて幻聴でもしたんじゃねぇーの?」



ケタケタと笑う星野くんを無視して谷川くんはじっと私のことを見つめる。



「違います!! たしかに僕のこと好きってっ……」



「………ま、ぁ…言ったけ…ど」




途切れ途切れにそう伝えると、他のみんなが突然声を揃えて「えーーーーー!!!!」と叫び出した。


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