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先輩!彼氏にしてください!
第10章 腑抜けた天才



ふざけているのかと思う台詞だけど、本人は真面目な顔をしている。



「これ、受け取ってください」



そう言って渡された薔薇の重みがずしりと腕にのし掛かった。




「……あり…がとう」



途端に谷川くんの顔が見えなくなる。



「あの…すぐ帰るので、ちょっとだけ上がっていいですか…?」


「え……? あー……」



迷いに迷って、結局断りきれずに、「うん」と返事をする。



そしてヨタヨタしながら何とかくるりと回って、薔薇を抱えながら部屋の中へ向かった。



「……っ…あ、危ない」



背後から谷川くんが急いで駆け寄って、机の上のカップを掴む。


どうやら薔薇にぶつかって落ちそうになっていたとのろを間一髪で救ってくれたようだ。


しかもその弾みで顔と顔が近付いて、なんとも言えない緊張感が漂った。




「あ、ごめん……」


「………いえ」



ドサっと音を立てて、薔薇の花束を机の上に置く。


そして、いっぱいに広がった真っ赤な薔薇を見つめた。



「………これ、何本あるの…」


「101本です!」


「ひゃっ…101!?」



これまた素っ頓狂に声を上げると、谷川くんはなんてことないと言った様子で「はい」と返事をした。



「薔薇は本数ごとに意味があって…101本の意味は、『これ以上ないほど愛しています』です」


「はあ………」



何とまぁ、谷川くんらしい、重ったらしい言葉だ。




「これ、入る花瓶…ないよ」


「大丈夫です、花瓶もプレゼントしますので」



そう言いながら谷川くんは机の上にもう一つ袋を置いた。


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