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先輩!彼氏にしてください!
第10章 腑抜けた天才
いつもの調子の谷川くんに、「ばか」と小声で悪態を吐きながら、谷川くんの胸に額を付けた。
何でこんな変な子好きになっちゃったんだろうとかずっと自問してきたけど……
「ほ、ほのか先輩っ……?」
「………たかが18の誕生日なのに…重すぎ」
「え……うーん…でも、僕の気持ちは実際めちゃくちゃ重いですから」
谷川くんはいつだって私にまっすぐだった。
まっすぐすぎるが故に気持ち悪かったり、突っ走りすぎて怖かったりとかするのはあるけど…。
どんな時も一生懸命で嘘をつかないし、
いつも私のことを褒めて、私のことを好きでいてくれて…
自分が、特別な存在なんだと思わせてくれる……
ぎゅっともらったネックレスのチャームを握った私は、ゆっくりと顔を上げて微笑む。
「………ありがとう」
「───────…」
「こんな風に祝ってもらったの、初めて」
「そ、うです…か」
そんな谷川くんの前だから、
どう思われるか、とか、そんな小さなこと気にせずに、素でいられるのかもしれない。