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先輩!彼氏にしてください!
第11章 先輩!彼氏にしてください!



えっ…ちょっと……えぇ!?



谷川くんの行動に周りもだし、私も慌てる。


早坂先生だけは呑気にハハハなんて笑いながら、近付く谷川くんのことを見ている。



「無事に賞も受け取ってくれたし、よかったよかった」


「っ……よ、よかったってっ…」


「まぁでも…谷川くんが本当に欲しいのは『賞』なんかじゃないからなぁ」



私の肩に手を乗せた早坂先生は、器用にウインクをする。



「ご褒美あげてね〜」


「っ……ご、ご褒美って…っ…」



そんな会話をしているうちに、何人もの記者をかき分けた谷川くんが息を切らせて目の前に現れる。


そして、さっきのようにその綺麗な瞳でしっかりと私の事を捉えながら、早坂先生の方は見ずに持っていた2枚の賞状を先生へと押し付けるようにして渡した。



「た、谷川く────」


「───── 先生、ご希望のものです。これでいいですか」


「はいはーい、お疲れさま」




呑気な先生に片眉を上げていると、突然に谷川くんに手首を掴まれた。



「えっ……うぁっ…」



そして、途端に勢いよく走り出した谷川くんに何とかついていく。



背後で、ワーワーと人が騒いでいるし再びカシャカシャとシャッターの音が鳴り響いている。



これ、ボイコットしていることにならないの?


てか、急に、なに……


てかてか、足早すぎ……!!!!






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