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先輩!彼氏にしてください!
第11章 先輩!彼氏にしてください!

だいぶ走って、どこかの建物の裏についた私は、膝に手を当てて上がった息を整える。
ワンピースで走る仕様でもないし、もう訳も分からないしで谷川くんに抗議したい。
けど、息を整えるのに精一杯で切り出せない。
数十秒、お互いに段々と落ち着いてきた時、ようやく話を切り出そうとしたら、谷川くんに「ほのか先輩!」と呼ばれて先越された。
「なにっ……よ」
「何ですかその格好は! かわいすぎるでしょ!ていうか、もう本当大好きです。表彰式出ましたし、終わりました。にしてもやっぱその格好可愛すぎます、話が違うじゃないですか!どういうつもりなんですか!!! 大好きです」
「っ………」
怒涛のめちゃくちゃな言葉の嵐に何から突っ込もうかと考えあぐねている間に、谷川くんが力強く私のことを抱き締めた。
「誰にも…何も…されてないですかっ…」
「……されてないよ」
「そうですか……。良かった…」
ゆっくりと体を離した谷川くんは、私の前髪に優しく触れるとそのままその手を後頭部に添えて、切なげに私の事を見つめた。
「あの……表彰式も無事に終わったし…僕はもう…先輩のっ……」
言いたいことは分かる。
けど私は意地悪くふん…と息を吐いた。
「……無事に終わったっていうのかな、あれ」
「終わりましたよっ…! ちゃんも賞状も受け取ったし…!」
「でも、司会の人が閉会だって言う前に谷川くん、飛び出してきたよね?」

