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先輩!彼氏にしてください!
第12章 欲求不満な彼氏彼女
小声で「いただきます」と言って、私は谷川くんのお弁当を突く。
美味しいんだけどとにかく量が多い。
こんなの毎日食べてたら太っちゃって仕方がないけど、残すのは悪い気がして結局いつも麻理にあげたりしながらもお腹ぱんぱんにして食べ切る。
今日も麻理に助けを求めようと何の気なしにチラと麻理を見たら、不気味と思えるほどニヤニヤしてて思わず体を少しのけぞらせた。
「なに…その顔。気味悪い……」
「いや、どーせ放課後とかも谷川くんはひっついて来てるんだろうし、お昼くらい一緒に食べれないだけで拗ねちゃってるほのかが、かわいいなぁって思ってさ」
「だっ、だから! 拗ねてないって!!」
「……てか、ほのか、体大丈夫??」
突然顔を近付けてヒソヒソ声になった麻理の様子に、私は片眉を上げて「からだぁ?」と言葉を返す。
別に体調が悪いって訳でもないし、そんなこと一言も言っていないんだけど。
「だってほら。谷川くん、付き合う前から勢いすごかったしさ」
「………は?」
「だからーー。念願叶ってほのかを手に入れた訳だし、ほのか一人暮らしだし? 放課後はそれはそれはもう激しく『そういうこと』、しまくってる訳でしょ?」
「っ…な…!?」
麻理の言っていることをようやく理解した私は、自分でも分かるほど顔を紅くしながら、懸命に頭を横に振った。