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先輩!彼氏にしてください!
第12章 欲求不満な彼氏彼女



「うわーぉ。真っ赤だね。やらしー」


「っ……ちょ、ち、ちがうからっ…!」



口の中に入っていた卵焼きが変なところに入りそうになって私は慌てて野菜ジュースを飲む。


だけど麻理はそんな私の様子を見てひたすら揶揄うようにケラケラと笑っていた。


頑張って飲み込みながら、私は麻理のことを睨みつけるように強く見つめた。


………たしかに、私も、付き合った後の谷川くんの行動は覚悟していた。


付き合う前からあれだけ強引だった訳だし……


いわゆる、そういう関係になるのもそんなに時間は掛からないだろうなと思っていた。


だけど…


もう付き合ってから、1ヶ月経ちそうな頃だけど、谷川くんは……なんというか……所謂そういうエッチな事を一切して来ない。


覚悟をしていただけに、拍子抜けしているというか……


調子狂うというか……



「あれ…? もしかしてまだエッチしてないの?」



ストレートな麻理の質問に今度は野菜ジュースでむせそうになっていると、「え、まじか」と麻理が勝手に話している。



「意外だわー」



何も言っていないんだけど……と言いかけてやめる。


だって、麻理の言う通りなわけだし。



「わぁ〜。逆にほのかが欲求不満っていう展開?? 流石に想像してなかったわ〜」


「っ…!? 欲求不満なんかじゃないから!」



思わず立ち上がって大きな声で叫んでしまったことでまた周りが静まり返った後、ケラケラと笑い出す。


最悪だ……



身を縮めて座り直しながら私は無心で谷川くんのお弁当を食べた。

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