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先輩!彼氏にしてください!
第12章 欲求不満な彼氏彼女

翌日……


むず痒い気持ちを抱えながら、お弁当の入っているバッグを掴んだ。

チラと視線を上げれば、当たり前のように彼がいる。


「……あのっ……ほのかせんぱ───」

「──────誰もいないところに行きたい」


顔も見ずに伝えた私の言葉に谷川くんは、えっ…!? と裏返った声を出した。

変な期待をしているのがバレバレの声だ。

すかさず「違うから!!」と私も私でオーバーに返した。

違うって何?と自問する。

そう叫んだ事で脳内を見られたような感覚に陥って、顔が紅くなるのを感じた。



「……『お弁当の中身を』他の人に、見られたくないだけ」


「て、ことは……本当に作ってきてくれたんですか…?」



ようやく谷川くんの顔を見ると、熱があるんじゃないかってほど紅くなっていてギョッとした。



「大丈夫……?」

「大丈夫なわけないじゃないですか。ほのか先輩がお弁当作ってきてくれたんですよ⁉︎」

「声大きい」


いつものことながら、興味深そうに周りが見ている。


早く教室から去りたくて場所を考えていると、谷川くんが、あの……と言いながら私の耳元に顔を近付けた。


「いい場所があります」


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