この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
先輩!彼氏にしてください!
第12章 欲求不満な彼氏彼女

翌日……
むず痒い気持ちを抱えながら、お弁当の入っているバッグを掴んだ。
チラと視線を上げれば、当たり前のように彼がいる。
「……あのっ……ほのかせんぱ───」
「──────誰もいないところに行きたい」
顔も見ずに伝えた私の言葉に谷川くんは、えっ…!? と裏返った声を出した。
変な期待をしているのがバレバレの声だ。
すかさず「違うから!!」と私も私でオーバーに返した。
違うって何?と自問する。
そう叫んだ事で脳内を見られたような感覚に陥って、顔が紅くなるのを感じた。
「……『お弁当の中身を』他の人に、見られたくないだけ」
「て、ことは……本当に作ってきてくれたんですか…?」
ようやく谷川くんの顔を見ると、熱があるんじゃないかってほど紅くなっていてギョッとした。
「大丈夫……?」
「大丈夫なわけないじゃないですか。ほのか先輩がお弁当作ってきてくれたんですよ⁉︎」
「声大きい」
いつものことながら、興味深そうに周りが見ている。
早く教室から去りたくて場所を考えていると、谷川くんが、あの……と言いながら私の耳元に顔を近付けた。
「いい場所があります」

