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Memory of Night 2
第8章 蛍の思い出

 宵が目を開けた時、真っ先に飛び込んできたのは茶色い天井だった。普段見慣れているはずのアパートのそれが、一瞬知らないどこかに思える。
 しばらくの間ぼーっとしていると、ようやく現実味が出てきた。

「懐かしい夢……」

 夢を夢だときちんと理解したような、妙な気分だった。
 夜の公園の風景は、生々しくてリアルだ。当たり前だ。情景もやり取りも、子供の頃家族で行った時の記憶そのままだった。
 強烈な懐かしさと共に、強い喪失感が宵の胸を襲う。
 父と母が事故で死んだのは、あの祭の日の数ヶ月後だった。たった一日で両親とも失った。まだ小学生だった宵には、突然のことに頭も心も追いつかず、二人の死体を目の前にしても到底信じられなかった。
 布を被った二体のそれはただの人形で、悪い大人のただの悪ふざけだと思いたかった。
 その時、認められずに暴れようとする宵のすぐ後にかけこんできたのが志穂だった。
 志穂は秋広の浮気相手だったのだという。それを泣きながら詫びられて、わけがわからないことばかりだった。
 そこから自分を引き取ると言った彼女と、二人きりの生活が始まったのだ。
 志穂は桃華とはまったく違うタイプの女性で、最初はかなり戸惑った。母親だなんて思うことはできなかった。
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