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Memory of Night 2
第9章 臨時ポールダンサー

 亮と宵がフロアに戻ると、フロアは先ほどとは一転し慌ただしい雰囲気になっていた。
 ショーが無い日は基本的に下りているステージの段幕が上がり、真ん中には銀色のポールが見える。キッチンにいた若いスタッフ達もステージにのぼり、何やらセットしていた。

「やっぱり。今から練習するみたいだね」
「今から!?」

 読み通り、と笑うマスターに、宵は驚いて目を見張った。

「ハルちゃんああ見えてプロ意識は高いから、受けたからにはしっかりやってくれるよ。良かった良かった」

 いくらプロ意識が高くても、営業中で客だっているのにそんなに自由でいいのかとも思う。
 客もこれから何が始まるのかと、そわそわしていた。

「さて、じゃあ僕はそろそろ……」
「帰しませんよ、今日は」

 亮の声を遮り、後ろで声がした。宵が振り向くと、そこにいたのは春加だった。
 ただし格好は全然いつもと違い、見慣れたバーの制服ではなかった。
 黒いスポーツブラのようなものの上に同じく黒いレザージャケット、下もレザーらしく、黒くて光沢のあるショート丈のパンツにヒールの高いブーツを履いていた。
 腹や足など、露出が多い服装だ。
 おまけにいつも下ろしている髪も、かなり上でアップに纏めていた。
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