この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Memory of Night 2
第9章 臨時ポールダンサー
亮と宵がフロアに戻ると、フロアは先ほどとは一転し慌ただしい雰囲気になっていた。
ショーが無い日は基本的に下りているステージの段幕が上がり、真ん中には銀色のポールが見える。キッチンにいた若いスタッフ達もステージにのぼり、何やらセットしていた。
「やっぱり。今から練習するみたいだね」
「今から!?」
読み通り、と笑うマスターに、宵は驚いて目を見張った。
「ハルちゃんああ見えてプロ意識は高いから、受けたからにはしっかりやってくれるよ。良かった良かった」
いくらプロ意識が高くても、営業中で客だっているのにそんなに自由でいいのかとも思う。
客もこれから何が始まるのかと、そわそわしていた。
「さて、じゃあ僕はそろそろ……」
「帰しませんよ、今日は」
亮の声を遮り、後ろで声がした。宵が振り向くと、そこにいたのは春加だった。
ただし格好は全然いつもと違い、見慣れたバーの制服ではなかった。
黒いスポーツブラのようなものの上に同じく黒いレザージャケット、下もレザーらしく、黒くて光沢のあるショート丈のパンツにヒールの高いブーツを履いていた。
腹や足など、露出が多い服装だ。
おまけにいつも下ろしている髪も、かなり上でアップに纏めていた。