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Memory of Night 2
第9章 臨時ポールダンサー
「ーーあれ、もういい感じに始まってるね。急がなきゃ。とりあえず宵くん、この子たちをお席に案内してもらえるかい?」
後ろから声をかけられ振り向くと、そこにはほんの二十分ほど前に呼び込みに行ったマスターの姿があった。
三人の女性を連れている。まだ二十歳を過ぎたばかりくらいに見える、若い女の子だった。
「ご新規三名様。もうみんな会員登録も済んでるから」
そこまでは宵に向かって。
「ね、全然怖いとこじゃないでしょう? お酒もソフトドリンクもあるから、ゆっくり楽しんでいってね。あと、今ポールダンスの練習の様子が見れるから、是非バーの雰囲気を楽しんでいって」
続きは連れてきた女の子たちに向かって。
亮は柔らかい声色でそれだけ告げた。
「は、はい」
緊張気味に頷く女の子たち。それはそうだろう、ハプニングバーという時点で、なかなか気軽に入れるジャンルの店ではないのだ。
「僕、もうちょっと呼び込みしてくるね」
亮は再び外へと向かい足早に去っていった。
「いらっしゃいませ。お席に案内します。こちらへどうぞ」
せっかくならと、彼女達をステージの近くのソファ席に案内した。
今日は客が少ないし過激なことをする客もいない。それは良かったように思う。