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Memory of Night 2
第10章 嫉妬
抵抗し押し退けるのは簡単だったが、宵の意図が知りたかった。
宵は露になった晃の胸元にそっと口づけた。何度も、柔らかい唇が肌に触れてくる感触は、くすぐったいけれど心地いい。
「これの、仕返し」
ふいに宵が自分の体の縄の痕を指さし、晃の耳元で囁く。
そして鎖骨の下辺りに再び口付け、きつく吸い上げた。
キスマーク。
残念ながら晃自身では確認できない場所だ。それでも、宵が自発的にくれたものだと思えば嬉しかった。
「もっとつけてよ、それ」
嫌がるかと思ったが、宵は頷いて、露出した晃の胸元や腹に幾つも痕を残していく。
こんな積極的な宵を見るのは初めてだった。
ふいに顔をあげた宵の頬が、わずかに上気していた。
じっと見つめられ、なんだろうと思っていると、おもむろに晃の右手首を掴み、自分の左胸に当てた。ワイシャツ越しの薄い胸元からは心臓の鼓動が聴こえる。
すぐにその手を今度は下半身へと持っていき、宵の大切な場所に押し当てた。
宵の大胆な行動に、晃は驚いて目をみはった。
「……俺が興奮してこんなんなるの……おまえだけだ」
「ーーえ?」
「脱がせたくなるのも触りたくなるのも、欲情するのも、全部おまえだけ……」