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Memory of Night 2
第10章 嫉妬
宵の顔は、羞恥で真っ赤だった。わずかに潤んだ灰色の瞳から、欲情の色が見える。
ようやく突飛な行動の意図が理解でき、晃は噴き出した。
「……そういうことか。あの流れでいきなりどうしたのかと思った」
まだ笑いが止まらない。
宵はむっとした顔で、言った。
「だって、証明できねーじゃん。車でちょっと連れまわされただけなのに、なんでラブホ行ったとかそんな話になってんの?」
「ハル姉が言ったんだよ」
「だから、からかわれただけだって。つか、バイト終わったの九時半過ぎだぞ、一時間あるかないかでどこのラブホ寄るんだよ。移動時間だってあるし。それに、春加の格好があんななのは臨時でポールダンス頼まれてたからだよ。店で練習してた」
宵にまくし立てられ、晃には返す言葉もない。全て正論だった。
おまけに宵と密着しても、アルコールの匂いは一切ない。
宵の説明通り、本当にドライブに付き合わされて車酔いしてしまっただけなのだろう。
「ーーうん、ごめん。酷いこと言った」
「……そんなに俺の話、信じらんねー?」
再び同じ問いかけをされる。
「信じてるよ。ただ、なんでそこまでして、ハプニングバーで働くことにこだわるのかなと思っただけ」
「……そんなの、おまえに早く金返したいからに決まってんじゃん」
「……え?」