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Memory of Night 2
第21章 宣伝用ポスター

ふいに亮が腕を広げ、アメリアを呼ぶ。助け船を出してくれたようだった。
アメリアはドラマチックに亮の名を呼び、誘われるまま彼の腕に飛び込んでいった。
そして、熱い抱擁とキス。ちゅっちゅっと唇を吸う音が狭いスタッフルームに響いていた。
その様子に、盛大にため息をつきながら春加が言う。
「ま、いーや、ちょっと話すから座れ、宵」
「……あれ、ほっといていいの?」
亮とアメリアの濃厚なキスは終わらない。
「いい、いい。気がすむまでさせときな。んで本題だけど、おまえがここをやめる前に、宣伝用のポスターを作らせてほしいんだよね」
「……ポスター?」
宵は怪訝な顔で春加を見つめる。
「毎年じゃないんだけど、何年かに一回オリジナルなの作るんだよ。好きなコンセプトで。衣装着て、撮影するだけ。報酬ははずむから」
「なんで俺? そんなの、ショーに出てる子達を撮ればいいじゃん」
そこで春加は小声になる。
「アメリア先生がおまえを貸せってうるさいんだよ。どうしても花魁ショーやりたいんだと。嫌だろ、夏休み中みっちり稽古やらされんの。宣伝用のポスター撮影を妥協案として出したらオッケーだったから、頼むよ。……あの人の機嫌そこねてまた水曜のショーに出てくれる人が減るのは、店としても困るからさ」

