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Memory of Night 2
第5章 進路
「最近ていうか、進路の話だけど、大学行ってもいい? お金は自分でなんとかするよ。バイトもするし。今のアパートから通えるとこで探してみる」
「もちろん。いいに決まってるだろう。宵くんがやりたいことをやったらいい。お金の心配もいらない。何か学びたい分野があるのかい?」
「……なーんも」
宵は笑った。
「まだ決めてないけどね。就職で出そうとしたら、もう少し悩めって。担任が」
「そうよ、進路って大切な選択だもん。ゆっくり決めたらいいのよ。私も高校までしか行ってないから、女子大生って言うの? やってみたかったなあ」
「今からやれば? 童顔だから行けんじゃねーの?」
「えー、見た目の問題じゃなくない?」
「馬鹿だから無理か」
「いや、選ばなければ、今はお金さえ払えば入れる大学もあるから、安心していいよ、志穂さん」
「もー、宵も弘行さんもひどいっ」
子供のように頬を膨らます志穂に宵と弘行は笑った。
宵のアパートに着くまでの十数分、和やかな談笑が続いた。