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Memory of Night 2
第37章 パンドラの箱

 いつになく反抗的な桃華の言い草に、隣にいた父も負けじと言い返した。

「この工場の跡継ぎだって必要なんだよ」
「だからそれはあたしが継ぐって……」
「おまえは女だろう! 女になんか任せられない! いいか? 結婚して、子供を産んで家庭に入るのが、女の一番の幸せなんだ! 生意気な口ばかり叩くな! 工場を継ぐなんてそんな簡単にできることじゃないんだぞ!」

 父も母も、根っからの昭和的な考え方の人だった。女は家庭を持つのが幸せだと信じて疑わなかった。父にすれば、工場を起業したことで、母に苦労をさせた。それが負い目になっていたからこそ、余計に桃華には女性としての幸せを掴んでほしいと思ったのかもしれない。基盤がすでにできている今ならば、工場の経営を桃華の結婚相手に任せるとしても一から立ち上げるほどの苦労はいらない。従業員だって働いてくれている。
 だが、父のその発言は、桃華の中でどうしても聞き流すことのできない許せないものだったらしい。

「なんだそれ……。誰だよ女に産んだのは、てめぇらだろう! あたしは女に産まれて良かったことなんて一度もないし、女としての幸せが欲しいと思ったことも一度もない! こんな顔だって……」
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