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Memory of Night 2
第6章 呼び出し
そのあとも宵は何度かカウンターとテーブルを行き来していた。注文を取ったり、ドリンクを運んだり。仕事内容は居酒屋やファミレスと変わらないような気がするが、客達の席にいる時間は普通の店より長く思えた。
晃はもらったドリンクを一口飲んだ。ジンジャーエールとオレンジを混ぜたような味で、美味しい。
「ねえ、キミ一人?」
突然隣から話しかけられ、晃は振り向いた。思わず目を見開いてしまう。
そこには三十代前半くらいの女性が立っていた。長い黒髪と濃い化粧は存在感がある見た目だが、一番驚いたのは服装だった。
黒いブラと黒いティーバッグ。どちらも布の面積が少なく、その上に羽織っているのは膝下まである白いシャツのみだったが、ほとんど羽織りものの意味がないくらい薄い生地で、下着も肌も丸見えだった。
ここまで透けていると、いっそ下着のみの方が健全なんじゃないかと思えるくらいにエロい。
「素敵な……格好ですね」
基本的に女性に対しては褒めるスタンスの晃だが、さすがに言葉を失いそうになった。それでもどうにか一言絞り出すと、露出が高すぎる女性は妖艶に笑った。