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Memory of Night 2
第6章 呼び出し
そのまま晃の左横に腰を下ろし、右手で左側の髪を耳にかけた。胸元の谷間がさらに深くなる。
「あたし、人に見られるのが大好きなの。それだけで濡れるわ。あなたは? どんな趣味をお持ち?」
「俺ですか? どうでしょうね。これと言って特殊な趣味はないですが、しいて言うなら嫌がられる方が燃えるかも」
「あら、Sっ気が強いのね。そういう人好きよ」
「……ありがとうございます」
女性がさらに身を乗り出し、晃に近付いてくる。初対面にしては近すぎるくらいに近い。
ふわりと漂ってくる香りは、お香だろうか。甘すぎない紅茶のような香りだった。
「今日のイベントをご存知?」
「……?」
「その顔は知らないようね。ここに来るのは初めて?」
「いえ、昔何度か」
「ふーん」
女性は晃の顔を、まるで品定めでもするかのように見つめている。
年齢を探っているようにも見えたが、やがてにっこりと微笑み、告げた。
「決めた! 今日のイベントはあなたを指名するわ」
「…………え?」
初対面の女性に突然指名され、晃は目をみはった。イベントとはそもそもなんなのか、どんなことが行われるのかそれすら知らないのに。
「俺は、イベントには……」
慌てて参加しない旨を伝えようとした時だった。
女性の視線が右上へと向く。