この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Memory of Night 2
第39章 幸福の形

だが、ローズでの充実した日々は、あることがきっかけで崩れさった。
その日の客層は、少し変だった。上手く言い表せないが、肌に突き刺さるような、ピリピリした視線をずっと感じていた。
今のローズは男女共にカマーベストに統一されたが、昔は女性の衣装だけが違った。網タイツにミニスカート。肩や谷間の見えるタイトな衣装だった。普通の店よりだいぶ露出の高い制服のため、男の下心満載の視線が集まるのはいつものことだった。それには慣れていた。
けれど今回はそれとは違った。
千鶴の勘は当たった。店が終わって後片付けを終えた帰り道。突然背後から何か布のようなもので口を覆われ、人気(ひとけ)のない公園に連れ込まれた。
もう深夜一時近かった。公園には切れかけの外灯のみで、辺りに人の気配はない。助けは呼べなかった。
そのまま裸に剥かれ、後ろから肉棒を押し込まれた。避妊具なんてもちろんなかった。三人にまわされ、口にも何度も突っ込まれた。痛みと恐怖で声すらあげられなかった。
暗闇の中、ぼろ切れのように地面に捨てられた。
顔をあげる気力すらなかった。男は千鶴の髪を掴み、顔を近付けてくる。ピリピリした視線は、店で感じたものだ。

