この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Memory of Night 2
第39章 幸福の形

 店にいた客のうちの一人だと直感でわかったが、逆光でよく顔が見えない上、今日に限って客入りも多い。
 誰かはわからない。
 男の声は低かった。

「亮に伝えとけよ。あんなシケた店なんか閉めて、俺らんとこ戻ってこいって。ーー今さら陽のあたる場所に戻れると思うなよ、一生逃がさねーから」

 笑い声。脳の奥で反響し、ぐるぐるとまわっていた。

「……そんなわけだ、必ず伝えろよ。じゃなきゃまた同じように性処理用のおもちゃにするからな」

 千鶴を放り男たちは去っていく。
 亮の体を覆う美しい和柄の刺青が、千鶴の脳裏に浮かび上がった。その頃の仲間だ、きっと。
 千鶴は必死にアパートまで帰り、浴室へと飛び込んだ。初めて死にたいと思った。
 夢中で膣の中からゴミみたいな液体をかきだし、何度も何度もシャワーの湯を当てた。あんなクズとの子供ができてしまったら。幸せとはほど遠い、最悪なシナリオ。冗談じゃなかった。あんなやつら、みんな死ねばいい。
 泣きながら、喉奥に指を突っ込み吐き出す。飲まされて胃に落ちて言った精液も、気持ちが悪くてたまらなかった。
 千鶴は何時間も浴室に座り込み、声をあげて泣いていた。
 その日は一睡もできずに震えていた。
 だから翌日、携帯に桃華からの着信があったのは、本当に神様の悪戯かってくらいの最悪なタイミングだった。
/861ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ