この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Memory of Night 2
第40章 罪

「桃華さん、よく千鶴さんのこと話してたんです……! 会いたがってましたよ、ずっと! あの……こっちです、病室! 昨日産まれたばかりで……うわ……っ!」

 男の手から、ダンボールが滑り落ちる。病院の白い床に音を立てて転がった。

「す、すみません……!」
「……神谷さん、病院ではお静かにお願いしますね」
「は、はい、申し訳ないです」

 苦笑いと共に先ほどの看護師にそう注意され、目前の男がこくこくと頷く。だがダンボールを拾おうとして、開いた蓋から飛び出してしまった何かに気付き、一瞬動きが止まった。
 それはベビー服だった。男は床から拾い上げ、埃を払うときのように優しく布地をはたいた。そして、そっと広げてみていた。
 水色の、クマのワンポイントが入ったシンプルなものだ。ベビー服を持つ男の瞳が輝く。

「これ……千鶴さんが!?」
「……は? いや、母が……」
「な、なんて可愛いんだ! ありがとうございます! きっと宵(よい)によく似合う」
「宵……?」

 それが二人の、子供の名なのだろうか。
 疑問を抱きはしたが、千鶴はそんな些細なことよりも、目前の男のまるで宝物でも見つけた時のような、満面の笑みの方が目に焼き付いた。
/843ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ