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Memory of Night 2
第40章 罪

 千鶴が落ち着くと、宵はそっと千鶴から離れた。
 ペットボトルの青い光のみでは、その表情はよくわからない。

「でも死んだってこと受け入れたら、だいぶ気持ちが楽になったんだ。少しずつだったけど。だからあんたも受け入れてったらたぶん楽になる」
「……桃華の死を?」
「……それもあるし、もっといろんなことをだよ。あんたが千鶴であることも、春加であることも、母さんに嫉妬していたことも、同情していたことも、子供の頃の素直な憧れも。マスターのこと好きなことも。……さっき話してくれた感情まるごと、全部ちゃんとあんたのもんなんだよ。ごちゃごちゃ考えずに、そのまま受け入れちまえばいいじゃん」

 そうして少し笑った。

「完全にやめろとは言わねーけど、酒や煙草もちょっとは控えろ。そこに逃げてたった一瞬だけ受け入れたくないことを忘れられたって、結局また思い出しちまったら意味ねーだろ」
「……うるせー」

 千鶴はついそう返してしまう。
 宵は今度こそ声をあげて笑った。

「いつもの調子に戻った? やっぱあんた、情緒不安定だな」
「ーーおまえを引き取らなかったこと、責めないわけ?」
「ああ……身内なのに、ってやつ?」
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