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Memory of Night 2
第41章 タイムリミット

 洞穴は正面にあった。ライトで眼前を照らした時、その全貌が現れる。
 晃と亮は言葉を失った。
 まるで雪崩でも起きたかのように、土砂が崩れていた。斜めに覆い被さっている土や岩の向こうに洞穴があったなんて、知っていなければ気付きもしないだろう。
 晃の背に、冷たい悪寒のようなものが走った。心臓がばくばくと高鳴りだす。
 ーーこの土の向こうに、本当に生きているのだろうか。
 借りてきたスコップを持つ右手が、唐突に震えだした。

「ーー冷静になれ。余分なこと、あんま考えるんじゃねえよ」

 亮の声で、晃は我に返る。ふるふると首を振り、よくない妄想は振り払った。
 亮はすでに洞穴に向かって歩き出していた。晃もその後ろを追う。
 目前に立ちはだかる絶壁の土に、スコップを挿入した刹那。
 ひらりと、白いものが落ちてくるのが見えた。
 顔をあげ二人で上空を見上げると、どこからともなく雪が降ってきた。
 いつもなら晃のもとに幸福な思い出を運んできてくれるが、今は害にしかならない。
 吹雪いたり積もったりしたら、レスキュー隊の到着は遅れ救助はさらに難航するだろう。
 悪い想像が頭をよぎったが、晃はそれを意識の外に追いやった。
 まだ生きている。中で救助を待っている。繰り返し自分にそう言い聞かせ、晃は土を掘り続けた。亮も隣で同じように掘っている。
 やがて土方が声をかけてくれたのであろう応援がぽつぽつと加わり、集まった男達で土を掘る作業が続いた。
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