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Memory of Night 2
第42章 入院生活

「ずれていた骨を元の場所に戻す処置をしていただけですからね」
「……はい、わかってますよ」

 看護師の説明に晃は頷く。むすっとしている宵にちらりと視線を投げ、表情を和らげた。
 宵の病室は四人部屋だった。だが、ベッドは三つ空いていて、今は宵だけのようだ。

「良かった、思ったより元気そうで」
「骨折だけだし。……おまえのおかげ。ありがとう」
「……ハル姉は、まだICU?」
「うん、そうらしい。俺なんかより全然重傷だったからな。かなり出血してたし」

 春加の本名が香椎千鶴であること。宵の実母の妹で、叔母にあたること。それだけは昨日の電話で晃に伝えていた。

「……あの人悪運強そうだし、大丈夫でしょ」
「俺もそう思う」

 宵は苦笑する。体力も化け物なみにあるし、実はそこまで心配してもいないのだった。先生も、命はとりとめたけど、傷口からの細菌などで合併症を引き起こすと大変だから、様子を見るために一般病棟に戻さないだけだと言っていた。それも晃に伝える。
 晃はベッドに座る宵の頭を、ぽんぽんと撫でた。

「……何?」
「ちゃんと礼、言えるようになったじゃん、て思って」
「……なんだそれ、いつも言ってるだろ?」
「反発ばっかしてただろ? 昔は」
「……それ、付き合う前の話だろっ」

 宵は真っ赤になる。
 晃は多分、以前入院していた時のことを言っているのだ。あの時の方が今回よりもずっと重傷だった。
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