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Memory of Night 2
第42章 入院生活

「浪人して、来年受け直して地元の医大に入るよ。別に東京の大学じゃなくたって、医者になれるし」
「……なんでだよ! 親父さんと一緒のとこ受けたいって言ってたじゃん。中学からの夢だったって……」

 晃は何も言わなかった。
 宵は苛立った気持ちのまま畳みかける。

「模試もずっとA判定なんだろ? もったいな……」
「ーー離れたくないんだ、君と」

 つぶやくように晃は言った。

「もしまた今回みたいなことがあったら……」
「ねーよ、洞穴で生き埋めになるなんてレア体験」
「それは無いだろうけど、もしまた俺が知らない間に君に何かあったらーー心配なんだ」
「…………」

 宵は一瞬押し黙った。『何か』の部分を具体的には言わなかったが、晃の不安は理解できてしまう気がした。
 宵も両親を交通事故で失った。突然で突発的な、防ぎようもなくどうしようもない不慮の事故で、知らぬ間に帰らぬ人となった。それは多分、晃が口にした『何か』に含まれるはずだ。
 自分や自分の大切な人が、そんな『何か』に遭遇するなんて、普段なら少し飛躍した想像なのかもしれない。だけど一昨日、実際自分が死にかけて、晃がそれを目の当たりにして怖くなってしまった気持ちを、一蹴することなどできなかった。
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