この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Memory of Night 2
第42章 入院生活

「……いえ」

 宵は短く答え、わずかに首を振った。
 その感謝の言葉は、店の責任者としてのものだろう。極めて儀礼的なものでしかない。
 亮は微かに笑った。髪を下ろしているだけで、雰囲気はまるで違う。だが店にいた頃と変わらず、亮の本意はまったく読み取れないままだ。
 千鶴は亮に背を向けた体勢で横になったまま、微動だにしなかった。眠っているのか起きているのかも、判別できない。
 ふいに亮は口元を引き結び、真剣な眼差しで口を開いた。

「さっき病院の先生に説明を受けた。左足の骨折と、右の指が七本折れていると。治り具合によっては再度手術を受けるとも聞いた。……大怪我を負わせてしまって、本当に申し訳なかった」

 そしてまた、深々と頭を下げた。

「……もういいですって」

 そんなに何度も頭を下げられると、逆に宵の方が恐縮してしまう。
 だが亮は、深く黙礼したまま顔をあげなかった。そのあとに続く言葉で理由を理解する。

「手前勝手なお願いですまないが、君をうちで働かせていることが公に知られると、店としてもよくない。君のご家族や通っている学校には、本当のことは言わないでほしい」
「……わかってますよ」
/861ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ