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Memory of Night 2
第42章 入院生活

 宵は頷いた。その話をしたかったからかと納得する。
 もともと年齢を誤魔化して働いていたバイトだ。高校生がやっていい類いの店ではない。雇い主である亮が隠そうとするのも当然と言える。

「俺も、バレたくないんで」

 宵からしても、隠せるなら隠し通せる方がありがたい。
 志穂にも弘行にも高校にも、入院の連絡はしていなかった。亮に相談しようと思っていたところだ。
 高校は、年末年始は休みだ。教師たちすら学校に出勤していないだろう。
 千鶴の存在のおかげで、病院の手続きはどうにかなった。身内だと名乗れたから。
 だが、このままずっと隠しておくわけにもいかない。がっつり怪我をしてしまったのもあり、退院してもしばらくは固定具をつけた生活になる。すぐにバレてしまうだろう。自分たちが東北の山になどなぜいるのかを、まずどう説明したらいいのか、宵は迷っていた。

「ありがとう。僕から一つ案がある」

 そう言って亮が切り出したのは、ポスターの撮影モデルを口実にすることだった。
 ハプニングバーで働くのは年齢制限があるが、ポスターのモデルにはそんなものはない。路上で声をかけられ、受けたのだと言えばいい。
 別に全部が作り話ではない。今回の旅行は本当に撮影のための旅行なのだから。
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